初任給から大卒と専門卒の差を考えてみよう
看護師の初任給
看護師全体の初任給の平均は日本看護協会の2013年度の調べでは20万円程度ということがわかっています。この数字だけを考えるとそこまで初任給が高くないと感じる方もいるかもしれませんが、2007年度から毎年上昇しており2013年度には2%上昇しています。
では、この初任給2%の上昇率があることで他と比べて看護師の初任給が高くなっているのかといえば、そうとも言い切れません。厚生労働省が発表している調査では、他の仕事に就いた大卒の女性も初任給が1.9%上昇しているということですので、あまり差はないのです。看護師だけが特別上昇しているわけではなく、他の業界も同様に伸びているということは押さえておきましょう。
手取りについて
看護師の初任給の平均は20万円程度となっていますが、手取り額はまた給与とは違った金額となります。手取りとは給与から税金や社会保険料等が引かれた金額を指し、職場によっては制服費といったものが初任給では引かれることもあります。そのため給与からこれらの金額を引いたものが手取りとなりますので、実際には初任給の20万円から比べると低い金額となります。
保険等引かれるもの
大抵の法人に雇われる会社員と同様に、看護師も給与から各種税金と合わせて健康保険や厚生年金などの保険についても引かれています。健康保険は病気やケガなどの際に国が医療費を定められた割合で負担してくれるものです。これは、自分は病気やケガなどの際にも病院には行かないという人でも強制的に適用されるものなので、ほぼ必ず自己負担分の割合が給与から引かれることになります。
大卒と専門卒
看護師になるためには資格を取得できる実習などの教育機関が整っている学校で勉強し、国家資格を取得する必要があります。その教育機関には大きくわけて大学と専門学校の2つがあります。専門学校では3年間で資格を取得することができますが、大学では基本的に4年間の勉強が必要となります。では大卒と専門卒に初任給の違いはあるのでしょうか。
大卒の平均初任給は20万4683円となっており、専門卒の平均初任給は19万7689円となっています。大卒の方が若干高いですが、差額が6000円未満としている病院が46%近くあることを考えればほとんど変わらないということも言えます。また平均初任給の差額を0円としている病院も16%あるということから、実際には大卒と専門卒で初任給に違いは概ねないと考えていても問題ないと言えるでしょう。